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学術大会・イベント情報

看護セミナー

第23回がん放射線治療看護セミナー

 高齢化社会の進行とともに,放射線治療を実施するがん患者が増加しています。放射線治療患者を担当する看護師は,治療効果・副作用対策の向上およびメンタルケアの充実など専門的かつ広範な知識が要求されます。患者が安心して適切ながん治療を受けられるよう、看護師への放射線治療の知識の普及を目的として本セミナーを開催しています。
 第23回では「骨盤領域の放射線治療看護」をテーマに取り上げます。前立腺癌・子宮癌・直腸癌を主な対象とし、外部放射線治療および小線源治療の実際、および治療に伴うケアをエキスパートの医師・看護師に解説していただきます。
 放射線治療の知識に不安を感じながら本領域のケアに携わっている看護師のみなさまのご参加をお待ちしております。

 
第23回がん放射線治療看護セミナー
会 期 2016年9月10日(土) 10:30〜16:40
会 場 メルバルク京都 (5階・京極)
〒600-8216 京都市下京区東塩小路町676−13
テーマ 看護の視点でみる放射線治療計画-骨盤編-
カリキュラム ここから
募集人数 250名予定 (定員数に達した時点で締切)
参加登録 こちらから
参加費 6,000円(日本放射線腫瘍学会もしくは日本がん看護学会会員)、
9,000円(非会員)
運営事務局

中村 聡明 (関西医科大学放射線科学講座)
E-mail rtns23@nakamura.med.pro

看護セミナー Q&A

治療のフォローとゾメタの使用について

Q1: 患者さんが放射線治療で、前立腺癌はなおったのでしょうかと、よく聞かれます。PSAでフォローしますと答えていますが、CTなどでは分からないと思っていいですか?ホルモンでもともとPASが低い人が多いのですが。
A1: ホルモン療法で導入し放射線治療に入る前には多くの場合既にPSA値が正常に復しています。「地固め」としての放射線治療であり、治療後の経過観察はPSA 値が中心位なりますが、PSA値の動きや排尿・疼痛などの臨床症状を参考に必要に応じて前立腺局所の超音波検査・MRIや骨シンチなどの画像診断を利用します。
Q2: ゾメタについて、当院で骨転移の人でもゾメタを使っている人は少ないです。溶骨性か造骨性か判断して使っているからなのでしょうか?
A2: ビスフォスフォネートは破骨細胞の働きを抑える作用です。造骨性転移の多い前立腺癌骨転移には作用機序からは有効性は少ないと想像されます。

リンパ浮腫について

Q3: 大腸癌術後、骨盤内リンパ節転移にて外照射となりました。照射野も広めになり、鼠径部も含んだ照射となりました。術後よりリンパ浮腫があったものの、そこまで著明なものではなかったが、治療後半には痛み浮腫とともに悪化していった。こういった場合の看護ケアについて困ったので、他の施設ではどうしていますか?
A3 : 術後のリンパ浮腫は創傷治癒とともに進行する事もありますが、特に術後のリンパ嚢腫の拡大やその感染などで悪化します。放射線照射も物理的炎症を惹起させるのでリンパ浮腫の進行に関係する可能性は否定出来ません。一般に放射線照射野はリンパ浮腫の懸念も考慮し、リンパ流の逃げ道を作るように工夫していますが、充分にリンパ液を灌流できない場合もあるでしょう。非術野で非照射野を利用しリンパマッサージでリンパ浮腫のケアを試みてはどうでしょうか。

皮膚反応について

Q4 : 前立腺癌の根治照射で高齢でオムツを使用している方で、肛門周囲のおしりの合わさった所の皮膚炎がなかなか治らず、ケア方法でいい方法があれば知りたいです。
A4 : 放射線皮膚炎は露出部・湿部・擦過部に特に起こりやすい場所です。陰股部は湿潤で擦過する場所ですので、「乾燥に心がける、摩擦を避ける」という事でしょう。さらに臥床・着座による圧迫から循環障害をきたし創傷治癒が遅延しやすいので、円座などで「圧迫を解除」するのもよいでしょう。高齢者はとくに皮膚がうすく萎縮調で糜爛などきたしやすくなります。薬物は局所療法としては放射線という物理的炎症に対してステロイド軟膏塗布、全身療法としては皮膚再生を促す為のビタミンB群の使用や亜鉛の投与、食事としての高蛋白食などが考えられるでしょう。

前処置について

Q5 : IMRTを今後開始する予定になっているが、前処置についての情報がなく(事前に水分をとり排尿をひかえるとか具体的な処置を知りたい。具体的な水分摂取方法(タイミング、量)排尿ひかえる具体的な時間など。
A5 : IMRT でも通常の放射線治療でも基本的には照射される病巣の動きが少ないことが重要です。前立腺は周囲臓器である直腸や膀胱により他動的に多少なりとも位置が移動します。よって毎回の照射毎に再現性の良い位置あわせをするためには、直腸や膀胱の状態をなるたけ一定にしなければなりません。治療前の排便・放屁や一定の膀胱内蓄尿により前立腺の位置の再現性を担保します。排尿後1時間ほど膀胱内蓄尿するところが多いようです。この1時間に飲水するかしないかは施設で決めているようです。

IMRTのメリットについて

Q6 : 前立腺外照射とIMRTの有害事象の区別は、外照射>IMRTと考えていいでしょうか?
A6 : 強度変調放射線治療IMRTは前立腺病巣に治療線量を集中させるとともに、隣接するリスク臓器である直腸の被曝線量を軽減する照射法です。一般には、直腸の有害事象が線量に依存する事から直腸の線量軽減のできるIMRTはより安全な治療法と考えられます。

アイソセンターについて

Q7 : アイソセンターの意味をだいたいは理解しているのですが、よければ説明して頂けたら・・・。
A7 : アイソセンターとは全ての線束の集中する点の事です。回転や振り子照射の場合はその回転中心、多門照射の場合はその門数のビームが交差する点となります。アイソセンターが必ずしも投与線量基準点となる訳ではありません。

原体照射とIMRTは使い分けについて

Q8 : 原体照射とIMRTはどう使い分けているのですか?
A8 -1: IMRT は理屈の上では病巣に線量を集中させ、リスク臓器の線量を減らすことの出来る理想的な治療法です。しかし一方で3次元原体照射(3DCRT)に比べて IMRTは治療計画が複雑であり、固定多門照射のため治療時間もかかります。またIMRTは特に病巣の位置が少しでもずれると、線量分布上で急速に線量が変動するため精度管理が極めて厳密でなければなりません。前立腺の場合は直腸の便やガス、膀胱の尿量などにより位置のずれが生じます。実際の臨床現場で毎回再現性好い位置あわせを行うことは困難を伴うことも多いのです。
A8 -2: 当院はCFIMRTという治療を行っており有害事象は最低限に抑えられているため、あまり治療に対しての苦慮は感じていません。患者様が高齢で理解力に乏しいとか全身的な機能が低下していて通院困難であったり基本的なセルフケア不十分などが治療に支障を来たしたり、患者と家族との思いの差異による主にメンタル的なサポートで苦慮する事がたびたびありますが、それは特に放射線治療の患者様に限定される訳ではありませんので、Dr,Ns,技師、臨床心理士などのスタッフがチームで患者を支える努力をし環境を整える働きかけを行っています。

腸管ガスのコントロールについて

Q9 : 1腸管ガスの貯留に対して現在はガスコンを処方し、様子観察中だが他院での対処方法を知りたい。
A9 : 排便・放屁などが有効です。

照射の体位について

Q10: 前立腺は仰臥位、腹臥位どちらで治療(外照射)するのか。
A10: 一般に仰臥位で治療しているところが多いようですが、前立腺の位置は直腸の便やガス、膀胱の尿量などで変化します。放射線治療は毎回の再現性の好い正確な位置あわせが必要ですので、仰臥位にて直腸ガスなどで前立腺の位置が変化しやすい場合は、腹臥位をとり直腸ガスの影響を少なくする工夫などします。

LDRとHDRについて

Q11: 小線源治療のLDR,HDRはα/βは細胞死にどのように関わっているのか。
A11: 細胞死についてはα/βが大きいと分割効果が少なく、逆にα/βが小さいと分割効果が大きくなります。分割回数を限りなく多くすればLDR治療になります(一回線量が限りなく小さくなる)。よってα/βの小さい前立腺・直腸などの後期反応型組織はLDRがより安全に照射できる事になります。一方HDRの場合は1回線量を少なくして分割回数を増やし安全に照射します。さらにHDRの場合、線源配置を自由自在に行えるというメリットもあります。前立腺癌の小線源治療では低〜中リスク群はLDR、中〜高リスク群はHDRを行うことが多いようですが、外照射との兼ね合いもあり症例毎の検討がなされるでしょう。

看護=体調管理について

Q12: 外部治療時、患者の体調をどのように組み入れたら治療が出来るのか?
A12: 基本的には、放射線という物理的炎症を惹起させる事になるので、既に感染などがある場合は前もって制御しておくことが望ましい。便秘や呑気・腹満など毎回の位置あわせに支障をきたすような状態は避けるべきです。何よりも全身状態の把握が大切でしょう。
Q1 3: ナースが忙しいので時間内に患者がいなくなったら次の職場へと移るが、これでは患者本来の治療は出来ないのでは?また、医療の本質的な患者へのケアが出来ないのではないかと思うが、どうしようもないのでしょうか?
A1 3: おっしゃる通りです。少ないスタッフと限られた時間では、短時間で中身の濃い満足度の高いケアを目指すという事なのでしょう。職場の工夫を研究してみて下さい。

看護=介入タイミングについて

Q14: 当院では朝8時から夕方19時まで1日70〜80人の外照射、シード小線源治療を行っています。専任看護師は2名、忙しさに走り回っています。患者さんは医師の診察で充分納得し理解を得られたのか満足したケアをうけられているのか不安があります。質問を受ければ対応するのですが、全員の患者さんが不安なく治療を受けていないのではないかと心配しています。看護師の関わりとして、「個室で指導する」どのようなタイミングで行っているのでしょうか。教えて下さい。全員の患者さんへ関わるにはどうすればよいのでしょうか?
A14: 少ないスタッフで多くの患者さんを担当する、それも放射線治療を受ける癌患者さんとなれば医療現場は本当に大変です。放射線治療は一般に一定の治療期間がかかりますので、最初の数回経験した2〜3週目にじっくりお話をするようにしています。やはり最初からお話ししても理解困難な場合が多く、自分で毎日の治療に何度か通ってきて、また他の患者さんなどと情報交換をするなどして、疑問点や理解できない点が出始めたころにお話ししています。医師としては診察所見や画像を患者さんと一緒に見て理解を深めてもらうようにしています。一度こういった関係を構築しておくと他の日は一般診察としています。特に看護師さんは平易な言葉で患者さんの日常生活に即した説明をしていただけると助かります。

看護=問診について

Q15: 問診はどのようにとっていますか?記録はどうしていますか?(患者さんの副作用の程度や指導した内容などの記載など)
A15: 定型的な所定の放射線治療では、コースが進むと予想された早期反応が出てきますので、前もって説明し、該当する頃に所定の問診をして安心感を与えるようにしてはどうでしょうか。記録としてはCTCAEなどを参考にして症状の重傷度をスコア化・定量化するのも一法です。クリティカルパスを作成して経時的に逐次介入するなど、完成度の高い看護診断とケアが望まれます。

Q16: 有害事象について、JCOG, RTOGの使い分けはどのようにしているのか?
A16: どちらを使うか、明確な決まりは現時点では存在していません。
一般的に急性期はJCOG/CTCAE v3.0、晩期はRTOG/EORTCを使う施設が多いようです。
JCOGのプロトコールではCTCAE v3.0を使うことになっていますが、プロトコールによって使い分けをする施設もあります。論文を書く際には,どちらの判定基準を使用したのか記載があれば十分です。

Q17: SEED治療の際に実際妊娠している看護師の扱いはどのようにしているか?
A17: 被曝に関しては前立腺癌小線源治療―エビデンスとテクニックーに以下の記載があります。妊婦や妊娠の可能性のある女性は、インプラント後の2ヵ月間は患者と長時間の個人的な被曝を避ける必要があるが、患者から少なくとも2mの距離をおけば、同じ部屋に長時間一緒にいても構わない。
シード線源による前立腺永久挿入密封小線源治療の安全管理に関するガイドライン第四版(PDF)に放射線診療従事者の被曝線量の表が載っているので,参照して下さい。

Q18: 外照射時の蓄尿、排ガスの理由について
A18: 前立腺の周囲には直腸や膀胱といった臓器が存在し、前立腺はそれらの臓器の容量などにより、体内での位置が比較的大きく変化することが報告されているためです。
よって、毎回の治療時には蓄尿時間を守っていただき、排便コントロールをしていただく必要があります。

Q19: 看護ケアの内容、オリエンテーション、指導の時期について
A19: 治療計画日に有害事象について看護師からも簡単に説明をしてもらっています。
胸部、腹部など照射部位に応じて、何週目あたりからどのような有害事象が出現する可能性があるのかは、実際にそれぞれの部位に関する説明用紙を渡してお話しています。

Q20: 外照射後、大腸内視鏡検査はいつ頃から可能か?
A20: 下痢や頻便など急性期有害事象が落ち着くまでの2-3週間後以降に行うのが望ましいと考えられます。

Q21: 前立腺外照射のビルドアップによる肛門周囲皮膚炎の予防について(ガーゼをはさむなど)工夫はありますか?
A21: 照射部位と照射法によって異なりますので,個別的対処するしか方法ありません.
早めにステロイド軟膏を塗布して,皮膚炎がひどくならないようにする手はあります。

Q22: 頻尿となってしまった患者さんの照射前の蓄尿について、難しい場合どのような工夫をしているか。
A22: 泌尿器科的な対症薬の投与や蓄尿量を少なめに設定しなおすことなどでしょうか。

Q23: 小線源治療を行っている病院の一覧表などはないか?
A23: 日本放射線腫瘍学会のHPには未だ記載されていないが,全国調査に伴い,いずれ公開されると考えられる.インターネットで各施設を閲覧すれば実施の有無はわかるでしょう。

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